中野区江古田公園 江古田古戦場の碑

太田道灌との戦に敗れた豊島家 照姫の悲劇

激戦の末に追い詰められた照姫はその身を池に投じる

太田道灌との戦に敗れた豊島家 照姫の悲劇

(話し手)講談師 神田山緑さん

神田山緑

話し手は、NHKでも講談をお話しをされている、新進気鋭の講談師、江戸の香りをたっぷりと含んだその話しっぷりは見事、真打、神田山緑さんです。

1400年代の関東地方は、多くの武士団が乱立し、非常に多くの戦いがありました。この関東地方において、江戸城を本拠内とする太田道灌は、名将として名高く存在でした。 一方、関東の名門として勢力を誇っていた豊島家では、当主の豊島泰経が石神井城を拠点にして、武蔵国(現在の東京都と埼玉県)に大きな影響力を持っていました。 そこに新興勢力である扇谷上杉家が力を増してきて、豊島泰経との衝突が必至の情勢でした。この扇谷上杉氏の執政役だったのが太田道灌でした。 まだ、戦が起こらなかった時、豊島泰経は生まれてくる子供が女の子であることを望んでいました。氷川神社に参詣してお願いした甲斐があったのか、珠のようなかわいらしい女の子が生まれました。豊島泰経は女の子に「照姫」と名付け、大事に大事に育てました。 照姫は成長すると、絶世の美女になりました。豊島泰経は、とても喜びました。 そんな折、ついに宿敵扇谷上杉家の軍勢が攻めてきました。総大将は、名将・太田道灌でした。太田道灌は、まず豊島泰経の弟・豊島泰明の平塚城に攻めてきました。 平塚城からの使者は、。豊島泰経の援軍を求めました 使者は太田道灌の軍勢が、平塚城の周辺の村々に火をつけ、平塚城を果敢に攻めていると知らせます。 照姫は父の豊島泰経に向けて、自分が石神井城の留守を守るので、父上は叔父の豊島泰明を助けにいってほしいと申し出ました。 豊島泰経は、照姫の申し出に頷き、石神井城を任せると言い、自分は甲冑を身にまとって、平塚城救援の軍勢を率いて出撃しました。 激しい戦いが続く、江古田原につくと、太田道灌の軍勢に遭遇します。豊島泰経は先頭にたって太田道灌の軍勢に斬りこんでいきました。豪勇無双の豊島泰経率いる精鋭に対して、太田道灌は三段の備えで対抗します。ここに、豊島泰経軍とと太田道灌軍の真っ向からのぶつかりあいが始まりました。ともに精鋭揃いで、激戦が繰り広げられる中、豊島泰経の乗った馬がぬかるみに足を取られました。そこを太田道灌側の足軽頭 森定助は見逃しませんでした。斬りかかってくる森定助に、豊島泰経はもはやこれまでと覚悟を決めました。 その危機を救ったのが、平塚城から駆け付けた弟の豊島泰明でした。豊島泰明は、森定助を討ち取ると、豊島泰経に石神井城に退きあげるように進言します。江古田の合戦の趨勢は豊島軍に徐々に不利になっていったのです。 この江古田の戦いによって、豊島泰経は追い詰められました。そして、満を持して、太田道灌の軍勢が、石神井城に迫ります。豊島泰経と照姫の運命はどうなってしまうのでしょうか。      

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